FF7のエンディングについての考察です。
FFシリーズとしては非常に長い時を経て見せられる500年後の星の姿とレッド13。
この未来では魔晄炉のエネルギーを使用しているような文明は見えず、むしろ退廃しており、遺跡化が進んでいるように見えますね。
このレッド13親子の姿から2500年以上も昔にジェノバによる侵略があり、古代種と言われる人々が星を守った。
さらに2000年ほどの時が過ぎて、神羅カンパニーという企業は星の命をエネルギーに変える方法や、過去の遺物であったジェノバという未知の生命体を細胞レベルで操る技術を開発、それらの支配力は凄まじくもはや神羅カンパニーに向かう所敵なしの状態です。
栄枯盛衰とは言いますが、エンディングを見る限りでは
”それでも星は死なない”
という希望のメッセージのようにも見えます。
人類は滅んだのか?
FF7の星ではライフストリームという生命エネルギーの活用によって超人的な力(いわゆるマテリア)などを製造しつつも、一方でソルジャーという哀しい運命を背負った戦士が沢山排出されています。
元をたどればガスト博士の誤認(古代種とジェノバの混同)から始まった”約束の地”へと向かうための古代種復活計画でしたが、結局見つかったジェノバは古代種ではないことが分かった頃に当のガスト博士は姿を消してしまい、FF7史上最悪のマッドサイエンティストである宝条博士によって軍事力転用の方法を探してしまいます。
そんな中で最大の被害者とも言えるのが、宝条博士の実の息子であるセフィロスです。
セフィロスは生まれる以前にジェノバ細胞と共生していますから、選択肢は与えられなかったも同然です。
そしてCCFF7で描かれたように多くのソルジャーが自分自身の生まれた意味や存在について苦悩する訳です。
英雄とまで呼ばれた男がすべてを消し去りたいと願うほどに、情状酌量の余地なく罪深い行為ですよね。
神羅カンパニーは一方でこういった悪のお手本のような運営もされていますが、魔晄炉によって文明が進んだことは否定できない事実です。
FF7では完全なるファンタジーではなく、文明という第3の柱が明確に描かれます。
大きなビル、バイク、潜水艇、ミッドガルのような広大な都市、マテリアの技術、飛空艇etc,,
こういった文明社会の中で世界は少なくとも2度の危機を向かえます。
1度目はセフィロスが暴走して発動させたメテオの跡、そして2つ目はしぶとすぎる男、宝条博士によるオメガ覚醒計画です。
いずれもクラウド、そしてヴィンセントによって解決はされましたが、星自身は大きな痛みを伴っていたように感じられます。
星痕症候群もそうだし、各地に復興が必要なほど、人類は大きなダメージを受けた筈です。
約束の地とはライフストリームの中ではないのか?
神羅カンパニーの当初の目的が古代種のみが行けるとされた”約束の地”のヒントや鍵です。
約束の地はどのような存在でも安らかに過ごせる安住の地とされていますが、神羅自体の目的は大量の魔晄エネルギーでした。
しかし、FF7エンディングでライフストリームからエアリスの気配がしたことや、アドベントチルドレンでカダージュ達を消滅させたエアリスの姿、そして星痕症候群を癒やす水を残したことなどから推測出来るのは、、
約束の地とは星と1つになった状態を言うのではないでしょうか?
星と1つになるということは、その生命エネルギーに溶け込むという事。つまりライフストリームの中こそが神羅が求めていた約束の地であるように思えます。
個人的にはセフィロスも宝条博士の被害者の1人だと考えているので、アドベントチルドレンにおいてエアリスが完全に星と同化させたことによって約束の地へと行けたのかもしれません。
魔晄技術は500年で消え去った
少なくともエンディングの画面から推測出来ることは魔晄エネルギーを中心とした文化や文明は滅んでいるという事です。
本編であれだけの大都市であったミッドガルが傾き、草花に覆われているのは滅びの名残り。
レッド13達はコスモキャニオンの住人ですから、異様に寿命が長いです。そしてその滅びを見届けた姿を考えると、クラウドやティファ達はもちろんのこと、人間という存在は生き残って居ない可能性もあります。
ですが、この推測では1つ矛盾が出てしまいます。
それは他でもない不死となった人々の存在です。
例えばヴィンセントは宝条博士の改造をキッカケに年齢を取らなくなっていますし、セフィロスも同様です。
これらの現象はジェノバ細胞が大きく関係しています。
ジェノバも滅んだ=人類滅亡ならばあり得る
アドベントチルドレンでは星痕症候群=いわゆるジェノバ混じりのライフストリームを浴びた人間が死に至る病が蔓延し、クラウドもこれを発症します。
しかし、カダージュ達との戦いが終わり、セフィロスとも最後の決着がついた後に出来た教会の湧き水はそれらを癒やしているのです。
ジェノバ細胞との適合が出来ず、拒否反応によって起こる病気が星痕症候群であるならば、あの水にはジェノバ細胞だけを洗い流す力が宿っているかもしれません。
もちろん、ヴィンセントはオメガを覚醒させようとした宝条と戦っており、肉体などにも変化が見られないことから水を使用していないかもしれません。
そうなると、それ以降にあの水の力を使って自らの呪縛であった不老を解除している可能性は充分にあり得ます。
クラウドが人間に戻れたかどうかはさておき、少なくともあのアドベントチルドレンでの最後の水は歴史を大きく変える運命にあった筈です。
敵という敵がいなければ力を持つ必要もありませんから、クラウドの物語があそこで終わっているならばジェノバ細胞が消えてもそこまで大きな問題は無いはずです。(レノやルードは生身でも強いし)
コスモキャニオンだけは残った
本編でも星命学の発祥の地として描かれるコスモキャニオンはいわば古代種の成り代わりかもしれません。
星の命そのものの知識を豊富に持ち、ギ族を抑えながら星を見守る役目を果たしている。マテリアにしてもヒュージマテリアの置き場所はすべてコスモキャニオンなのですが、都会的情景は一切見られません。
このことから、機械文明は滅んでしまったけれど、コスモキャニオンの住人達は星と共に生き残っている理由が分かるような気がします。